メンズスーツはビジネススーツもフォーマルスーツもふさわしい服装を選んで着る必要があります。ビジネススーツは自分の好みの範囲が広くなりますが、フォーマルスーツには無視できないルールがあります。出席する時と場所に応じたスーツでゆとりのある時間を過ごしましょう。
メンズスーツにも季節があります。就職シーズンにはビジネススーツが、結婚シーズンにはフォーマルスーツが求められるのですが、このメンズスーツにもレディーススーツほどではないにしろ流行が見られます。初めてスーツを選ぶ人にとって大切なことは、流行トレンドだけではなくスーツの種類にはTPOに応じたルールがあることを知ることです。一口にメンズスーツと言っても素材、色、形さまざな点で自分の好みだけでは選べない決まりがあります。
基本的な決まりを確認したうえで、自分に似合ったスーツ選びを楽しみましょう。
メンズスーツは大別してビジネススーツとフォーマルスーツに分けられます。
ビジネススーツやソフトスーツはそのスタイルによって次のようなものがあり、自分の体格、顔の輪郭、背丈などを把握し長所を引き立てるように、流行や好みを加味しながら選ぶことになります。
モード系は、細身で丈は長め、ボタンの数は3つか4つです。胸の開きのラインは小さめで、スラックスのタックはなしかワンタックが主流。
イタリアン系 は、全体的にゆったりとしています。ボタンの数は2つかダブルスーツが多くなります。スラックスも幅広でゆったりしツータックです。
ヨーロピアン系 は、トラッドスーツと言ってもよく茶系のチェック模様が代表的なイメージです。きちんとした印象でサイドベンツも多く見られます。
アメリカン系は、ビジネススーツの代表的なスーツでソフトスーツも含まれ、TPOを選ばず一般的に着られているスーツです。ボタンは2つで、スラックスはツータック。
これに対しファッションとしての流行の他に、ルールの意味合いが強く反映されるのがフォーマルスーツで、着用の用途から出席の時刻、場所その他の周辺事情に応じていくつかに分類されます。
ブラックスーツ: 多くの目的に合うスーツで、一般によく着られる便利なスーツです。着用時刻も昼・夜どちらでも可能で、慶・弔どちらの行事にも列席可能です。ダブルの場合は、略礼装として扱われ、シングルはベストを着用すれば準礼装として扱われます。
ディレクタースーツ: モーニングコートに次ぐ準礼服で、昼、午後6時前に着用されます。第二次大戦以前の欧米において会社重役の間で流行した服です。パーティ、レセプション、冠婚葬祭から公式行事、国家レベルの式典など招待される側のフォーマルスーツです。
燕尾服: 第二次世界大戦以前における夜の正礼装でしたが、現在では庶民生活からはかけ離れた存在となり、極めて格式の高い式典で着用される程度です。宮中での公式行事、クラシック音楽のコンダクターの服装として着用されます。ドレスコードにホワイトタイの指定がある場合、男性は燕尾服着用となりますが、ノーベル賞の受賞式出席の男性がホワイトタイの指定で招待されています。
タキシード: 午後6時以降に着用される、夜の正礼装として扱われます。本来の夜の正礼装は燕尾服ですが、現在では少なくなっているのでタキシードが実質的な正礼装となっています。世界の礼服ともいわれるほどポピュラーで、国際的なパーティにも対応できます。招待状にブラックタイと指定されればこのタキシード着用となります。夕方6時前後から夜にかけてのパーティや、午後過ぎからの結婚式及び披露宴での新郎や両家のお父様や主賓などに着用されます。
ロングタキシード: タキシードとは異なる、日本で独自に生み出されたもので、礼装の位置づけも明確ではありません。
フロックコート: 古くは16世紀のドイツ地方で農民が作業の時に着たものでしたが、徐々に市民の外出着となり、19世紀前半には最上級の礼服として扱われるようになりました。現在はその頃のスタイルではなくシングルフロックコートとして、結婚式で新郎が着用するコートではロングタキシードと並んで人気のあるスーツになりました。フロックコートの着用時刻に制約はなく昼でも夜でも着用可能です。
モーニングコート: 昼間の結婚式や披露宴での新郎や両家の父親、媒酌人にふさわしく、主賓の着用も適切です。
公式行事における主催者側代表や、国家主催の式典への出席、皇室主催の園遊会、叙勲の授賞式に出席の方も着用できる礼服です。
フォーマルウェアは、正礼装、準礼装、略礼装の順でスタイルが変化します。
フォーマルスーツの選択には、出席する時間帯、開かれる場所、主催者と参加者の関係などによっていくつかの基準があるということでした。
時間帯: 明治初期、日本に初めて洋装が取り入れられた頃にはフォーマルスーツには時間のルールがあり、モーニングコート、ディナージャケット、イブニングコートのように時間の観念が装いの名前にもつけられていました。わかりやすかった名称が少しづつ言いかえられ、ディナージャケットがタキシードへ、イブニングコートが燕尾服へと呼ばれるようになったためスーツ名だけでは判断しにくくなりました。現在では午後5時から6時頃を境に昼、夜の区別をしています。
場所: 開かれる場所は重要な基準に一つで、屋内か屋外、また会場の格式などに出席する人数が絡んで、主催者との関係で着用するスーツやコーディネイトするアイテムが変わるのです。
このような背景を踏まえたうえで、主席する集まりにふさわしい着用をすれば、出席者との楽しい雰囲気を共有できることでしょう。
メンズスーツの購入について興味深いアンケート調査の結果があります。
普段スーツはどこで購入するか?という問いに対し、アンケート結果は、
百貨店は32%で、量販店が1位の42%、ブランド直営店20%、セレクトショップ22%、アウトレット8%でした。
インターネット通販での購入が増えていますが、購入方法の分析ではないので、百貨店、量販店などでの購入者の中にはインターネット通販利用者も含まれていると思われます。価格という点ではインターネット通販は大きな魅力です。そこで、インターネットでスーツを購入する場合の注意点を確認しておきましょう。
インターネットでの注文は、すでに同じお店で購入していていることがあれば別ですが、初めての利用の場合はサイズが合うかどうかの不安が一番です。
採寸を自分で行いますが一人では難しいので、すでに持っている自分にぴったりのス≠フフォルムに近くなるでしょう。
インターネットでも販売店によっては、スーツを送ればそれをプロが採寸する方法をとっているところもあるので、これなら安心だと思います。
ビジネススーツは自分の好みを主張できる範囲が広くなります。多くのブランドから、まずは自分に合った1着を持ち仕事に前向きなイメージを獲得してください。